はじめに

楽天カードの中でも最高峰といわれる「楽天ブラックカード」。
私自身、数年前にインビテーションを受けて取得し、現在も利用しています。
今回は「昔どのように取得したのか」「現在の発行状況はどう変わっているのか」そして「プライオリティパスの内容がどう違うのか」について、体験を交えながらまとめてみます。
楽天ブラックカードを取得した経緯
私が楽天ブラックカードを取得したのは、まだ招待制のみとされていた時期でした。
楽天プレミアムカードを使い続けていたところ、ある日突然インビテーションが届き、年会費や特典を確認したうえで申込み、無事に発行されました。
当時は「楽天市場でのポイント倍率が高い」「プライオリティパスで世界の空港ラウンジが使える」といった点に魅力を感じていました。特に国内出張や旅行が多かった時期だったので、ラウンジ利用の価値は大きかったです。
しかし今では、取得条件がはっきりと定められています。(2024年7月~)
- 楽天プレミアムカードを12か月以上保有
- 直近12か月で500万円以上の利用
この条件を満たした人だけに申し込み画面が表示される仕組みです。
正直、今の自分にはとても手が届かない水準です。運やタイミングに恵まれて取得できたカードだったのだと実感します。
プライオリティパスの特典:これまでと今の違い
楽天ブラックカードの魅力の一つは、プライオリティパスが無料付帯している点です。世界中の空港ラウンジを利用でき、さらに同伴者2名まで無料というのは大きな強みです。
しかし、ここでも「これまでと今」で大きな変化があります。
これまでの国内特典
ラウンジ以外も“旅の寄り道”ができました(私の実体験)
成田空港 第3ターミナル「ぼてじゅう屋台」:3,400円相当のセット等が対象。フライト前の腹ごしらえに最適でした。
成田空港「9h nine hours」:日中帯に最大5時間の仮眠・休憩が可能。長いトランジットの救世主。
中部国際空港(セントレア)「くつろぎ処 Kutsurogi-Dokoro」:展望風呂「SOLA SPA 風の湯」や食事処「えびす」併設の総合リラクゼーション。機材や海を眺めながら湯に浸かれたのは格別でした。
セントレア「The Pike Brewing Restaurant & Craft Beer Bar」:いわゆるバーガー系も楽しめるお店で、搭乗前の一杯・一皿が“特典内”でした。
旅行前後のちょっとした贅沢やリラックスができる、まさに「旅の質を高める特典」でした。
現在の状況
2025年1月2日から、楽天カード付帯のプライオリティパスでは、利用可能な施設が「ラウンジ」のみに限定されるようになりました。
セントレアの「風の湯」や成田の「ぼてぢゅう」、カプセルホテルの無料利用といったサービスは、楽天経由のプライオリティパスでは使えなくなっています。つまり、国内では実質的にラウンジしか恩恵がない状況です。
対象外となってしまった施設一覧
空港 | ターミナル | 施設名 | サービス内容 |
---|---|---|---|
関西国際空港 | 第1ターミナル(国内線) | ぼてぢゅう | 3,400円相当のコースメニュー(お好み焼き等) |
鹿児島空港 | 国内線ターミナル | ボディケア LUCK | 求総額から税込3,400円(JPY)の割引 |
中部国際空港 | 第1ターミナル4F | BOTEJYU(ぼてぢゅう) | 3,400円相当のコースメニュー(お好み焼き等) |
中部国際空港 | 第1ターミナル(国際線保安検査通過後) | 海膳空膳 | 3,400円相当のセットメニュー |
中部国際空港 | 第1ターミナル4F | くつろぎ処 | 展望風呂、レストラン、アジアンスパ |
中部国際空港 | Flight of Dreams Building3F | THE PIKE BREWING RESTAURANT | アメリカ料理、クラフトビール(3,400円割引) |
成田空港 | 第1ターミナル(国際線保安検査通過後) | Japanese Grill & Craft Beer TATSU | 3,400円相当のセットメニュー |
成田空港 | 第1ターミナル4F | 肉料理やきすき やんま | 3,400円相当のセットメニュー |
成田空港 | 第1ターミナル(国際線保安検査通過後) | 鉄板焼 道頓堀 くりた | 3,400円相当のセットメニュー |
成田空港 | 第2ターミナル2F | 9h nine hours Narita Airport | カプセルホテル(シャワー施設利用可) |
成田空港 | 第3ターミナル2F | ぼてぢゅう屋台 | 3,400円相当のセットメニュー(道頓堀セット) |
羽田空港 | 第1ターミナル3F | ボディケア LUCK | マッサージ(10:00-20:00) |
羽田空港 | 第3ターミナル直結 羽田エアポートガーデン1F | All Day Dining Grande Aile | ビュッフェランチ(11:00-15:00) |
他社カードのプライオリティパスでは?
最近は発行会社ごとに“非ラウンジ施設(レストラン・スパ等)を使えるか”が分かれるのが実情です。
使える例:
ラグジュアリーカード付帯PPは公式に**「空港ラウンジやレストラン・スパなどの対象施設で1回無料」**と案内があり、非ラウンジ施設にも対応しています(発行会社の規約に従うため、最新の可否は要確認)。
使えない例(空港ラウンジのみ):
MUFG系カード付帯PPは2024年秋以降、非ラウンジ対象外。
アメリカン・エキスプレス発行PPもレストラン・スパ対象外が明記されています。
このように従来通りの国内特典が残っているケースがあります。つまり「楽天ブラックカードだからこそ制限されている」という点は覚えておくべきでしょう。
これから取得する人向けチェックリスト
・達成見込み:直近12カ月の請求合計が500万円以上になりそうか?(プレミアムカード保有12カ月以上が前提)
・使い道の合致:あなたの旅は「ラウンジ重視」か「食事・休憩重視」か?(後者なら他社PPも比較)
・家族同伴:同伴者の無料枠(楽天ブラックは2名無料)は旅のスタイルに合うか?
・楽天経済圏:楽天市場や投信積立の倍率で年会費を取り返せるユーザーか?
まとめ:以前の体験と今の選択肢
楽天ブラックカードは、今でも希少性が高く、ラウンジ利用や同伴者無料といった魅力的な特典を備えています。ただし、以前のように国内でお風呂に入ったり、レストランで食事を楽しむことはできなくなったのが現状です。
- 楽天経済圏をフル活用している方にとっては、依然として強力なカード
- 国内の空港体験を重視する方には、他社発行のプライオリティパスも検討の余地あり
私自身、「これまではこんなに自由に楽しめたのか」と残念に感じますが、今の読者の方には「自分に合ったカード選び」を意識してもらうのが一番だと思います。
おわりに
楽天ブラックカードは、私にとっては特別な思い出のある1枚です。取得方法も特典内容も大きく変わりましたが、それでも「楽天を徹底的に使う人」「海外旅行や出張が多い人」にとっては、十分価値のあるカードです。
インビテーションで入手した身として、今の条件なら届かなかった——それでもラウンジ利用が無制限であることと、楽天経済圏での毎日の積み上げがある限り、私はこのカードを手放すことはないと思っています。