【地図好き必見】ゼンリンミュージアムの魅力を訪ねて 〜小倉の地から広がる歴史とロマン〜

みなさんは、「地図」にどんなイメージをお持ちでしょうか?

スマートフォンで見る現在地、旅先で使う観光マップ、あるいは、昔の時代を描いた古地図…。日常生活で何気なく使っている地図ですが、その一枚一枚には、時代の背景や人々の想いが詰まっています。

今回は、そんな「地図の奥深さ」を体感できる場所、北九州市・小倉にある『ゼンリンミュージアム』を訪ねました。地図会社のゼンリンが手がける、地図と歴史の魅力に出会えるスポット。その体験を、じっくりご紹介したいと思います。

アクセスは良好。でも、少し迷いやすい?

ゼンリンミュージアムは、西小倉駅から徒歩約5分、小倉駅からでも徒歩10分程度の好立地にあります。が、正直なところ、場所がちょっとわかりにくいです。

目指すのは「リバーウォーク北九州」。ビジネス棟14階に展示エリアはあります。

まずはビルの4階へエレベーターで移動し、ゼンリンミュージアムの受付でチケットを購入します。その後、一度ビルの外に出て、別の専用エレベーターで14階へ。まるで“地図の迷路”を旅しているような気分に。こうした入館までの流れもまた、ちょっとした冒険のようで楽しい体験になります。

窓からの眺望にも注目!空に浮かぶ地図の世界へ

14階の展示エリアに入ると、まず目に飛び込んでくるのがガラス越しの絶景。小倉港、関門海峡、そして反対側には小倉城が広がり、「地図の中の世界」がそのまま目の前に現れたかのようです。

この絶好のロケーションに展示されているのは、まさに“時代を超えた地図”たち。ミュージアムの常設展は、大きく三つのテーマに分かれています。

常設展の見どころを徹底解説!

第1章:世界の中の日本(16世紀〜19世紀)

ヨーロッパの古地図に描かれた「Japon」や「Zipangu」。地図の中に登場する日本列島は、今見るといびつだったり、位置がずれていたり。しかし、それがむしろ面白く、当時の世界の人々が日本をどう見ていたのかがよくわかります。

特に、北海道の描かれ方の変化は注目ポイント。まだ正確に把握されていなかった時代から、少しずつ輪郭が整っていく様子は、地図が“進化”していく過程そのものです。

第2章:伊能忠敬の地図と近代日本(19世紀)

圧巻だったのは、やはり伊能忠敬の地図。思わず息をのむほどの大きさ、そして緻密さ。歩いて全国を測量し、日本を正確に描こうとした情熱と努力が、その一枚一枚から伝わってきます。

この地図が、近代日本の地理の土台になったことを思うと、私たちの現在も、まさにこの偉業の延長線上にあると実感します。

第3章:観光と地図の文化(17世紀〜20世紀)

江戸時代の「名所図会」や、明治〜昭和にかけての観光案内図、そして高度経済成長期の鳥瞰図。これらは、まるでアート作品のようで、旅情と郷愁を誘います。

色彩豊かでデザイン性に富んだ地図たちは、単なる案内ではなく、「見る楽しさ」「旅する楽しさ」を伝えてくれる存在です。

企画展も見逃せない!

私が訪れた時期(2025年1月〜5月)には、「山陽新幹線全線開業50周年」を記念した企画展が開催されていました。

タイトルは「影面の道から山陽用新幹線へ」。地図を通して、新幹線網の発展や駅周辺の変遷をたどる展示で、鉄道ファンはもちろん、まちづくりや交通に関心のある方にもおすすめです。

スタッフのホスピタリティに感激

印象的だったのは、スタッフの方々の温かい対応。受付から展示案内、休憩スペースでの景色の解説まで、丁寧で心のこもった応対に、こちらも自然と笑顔になります。

こうした「人のあたたかさ」も、旅や訪問先の大切な記憶になるものですね。

お土産にピッタリ!地図グッズ専門店も併設

観覧後は、商業棟の1階にある「マップデザインギャラリー」へ。ここは、地図がデザインされた商品を販売する地図グッズの専門店で、地図モチーフの雑貨やステーショナリーなど、センスのいいアイテムがずらりと並びます。

地図好きの方へのプレゼントにもぴったり。ついつい時間を忘れてしまう空間です。

まとめ:一枚の地図に、歴史と想いが詰まっている

ゼンリンミュージアムは、単なる“展示施設”ではありません。

地図を通じて、日本と世界の歴史を知り、人々の営みに思いを馳せることができる場所です。何気なく使っていた地図が、これほどまでに深く、豊かなものであったことを再発見できました。

ぜひ、北九州・小倉を訪れた際には足を運んでみてください。一枚の地図が、あなたの旅と人生を少しだけ豊かにしてくれるかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました